天台宗の教え
最澄は、遣唐使として唐に渡り「法華経」を中心とした天台教学を修得してきました。その内容は「法華1乗説」と呼ばれるものであり、「身分の上下に関係無く、死んだ者は皆同じ1つの乗り物に乗り仏の世界へと生まれ変わることが出来得る。」と説いたものでした。
また最澄は、天台教学だけではなく密・禅・戒の三宗も日本に伝えました。それは、天台教学も含んだこれら四宗は、「全ての衆生は仏陀になり得る。」という教えが共通していたためと云われます。
帰国後の最澄は、中国天台宗の教えを元に、密・禅・戒の三宗を融合させた総合仏教としての天台宗を興し、それまでは、身分の高い人々しか学ぶ事が出来なかった仏教を「1乗説」の元、身分の上下に関係無く、全ての衆生に広めようとした革新的な宗派でした。事実、これ以降に登場する優れた人材の多くが天台宗を学んでいた事が物語っています。
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