仏壇・仏具に関する質問?
 
「忌」の心
 家族の誰かが亡くなられたお家に「忌」と書かれた貼り紙をよく見かけますが、一周忌、三周忌、……などでも「忌」という文字が使われています…。辞書を開いてみましたら、いむ・ねねたむ・けがれを避けること・喪にこもる期間・命日などとあります。家族の誰かが亡くなったときに、この様な意味通りの解釈で良いのでしょうか?、年忌が来る度にねたんだり、穢れを避けなければいけないのでしょうか?……。
 私は、「忌」には辞書に載っているような意味だけではないと考えています。
 私達の先祖…。医学が今日の様に進んでおらず人生50年と言われたような頃に生きていた多くの人達が、どうして起こるのか分からず、治す方法も分からない伝染病や疫病により、苦しみながら死んでいったであろう事は容易に想像できます。医学が発達し、殆どの病気が原因も、治し方も分かっている現代人にとって先祖達の「死にいたる病」への恐怖は想像を絶するものがあったに違いありません……。
 しかしながら、その恐ろしい死にいたる病によって家族が倒れられた方達の心情はいか様なものであったでしょうか……。多分、自分達のみならず近所の人達にも病気が移るかも知れない恐怖とは別に、生き返って欲しい…。何とかしてあげたい…。と願っていたはずです。
 この様に考えましたときに、「忌」という字には「死者を出してしまったために他人様に御迷惑が掛かるかもしれません。しかしながら、今は亡き人の冥福を仏様にお願いできますのは今しかなく、また私達とて死にいたる病気に掛かっているかもしれません。ですから、私達家族とのお付き合いをどうかしばらくの間ご勘弁下さい…………。」という厳しくも美しい"家族の心"があるのでは……、などと思ったりもしています。
 また、一周期、三周期、……に「忌」という字がついているのは、故人の冥福をお願いできるのはこの日だけで、他の日ではだめなんですよという意味があり、昔からこの日には、普段の生活から離れ、親族全員が集まり故人の冥福をお祈りいたします。



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