仏壇・仏具に関する質問?

お布施について(U)

 お布施の金額は何故決まっていないのでしょうか?、何故「布を施す」という字が使われているのでしょうか……?。
 現代人である私達は、何でもすぐに手に入る豊かさに慣らされており、「布」といってもさほど大切なものといった感覚はございません。が、生活環境が大変厳しい上、工場など無い為に全ての物が手作りだった祖先達には「布」はとりわけ大切なものだったのです。
 私達は、季節に応じて何枚もの服を持ち、温かい布団があり、さらには、エアコンがあるから暑くも寒くも無く、ブランドやデザインなどで服を選ぶのが当たり前となっています。しかし、私達の祖先の多くは、着替えも無く、薄っぺらのセンベイ布団で、隙間だらけの家の中に冷たい風がビュウビュウ吹き込んでくる、冬場になれば家の中でも凍死することもある…といった生活をほんの百数十年位前まで送っていました。ですから命をも守る「布」はとりわけ貴重品だったのです。
「観音経」に布施とは本来、余りあるものの中から少しのものを恵むのではなく、唯一自分が持っている(着ている)一枚の着衣を脱いでさえ与えるものを意味するのだと書かれております。この心がお布施を施す際に最も重要なことだと考えられます。




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